こどもと通信Vol.8 ”ありがとうの反対は?”

ありがとうの反対は?

こどもたちが「おおきい・ちいさい」「うれしい・かなしい」などの反対語を言い合っているのを聞いて、ふと「ありがとうの反対語はなんだろう?」と思いました。不勉強なもので思いつかず、調べたところ……驚きました。
「当たり前」これがありがとうの反対語。当たり前は有ることが常、有難うは有ることが難しい。言葉遊びのようですが、とても示唆に富んでいると思います。

失った時に初めて、当たり前だと思っていたことの有難みを実感する。そんな経験は決して多くない方がいいです。失われる前に、自分たちがいかに多くの有難いこと・ものに恵まれているかに気がつくこと、また日々の生活に流されてその視野が狭くならないように気をつけること。当たり前と思われることに『ありがとう』を伝えることの意味を改めて考えました。

ありがとうと言えば……
先日の夏祭りの時、優しくしてくれた年長さんに「ありがとう」とお礼を伝える年少さんの姿に心がほっこりしました。可愛らしいやり取りだったのはもちろん、普段なかなかありがとうが言い出せない子がはにかみながらも気持ちを伝えていたからです。

ありがとうは嬉しい気持ちになれば自然と出てくるものだと思いがちですが、こどもは挨拶の仕方や言うタイミングを吸収している段階。恥ずかしかったり、嬉しさで胸がいっぱいになったりして、言葉にするのに時間がかかることがあります。待ちきれずに大人が声をかけると、本来の温かみのあるお礼とは少し違うものになるかもしれません。
こどもの嬉しかったことを共感し、大人から「ありがとう」を伝えてみる。焦らずに積み重ねていくことで、コミュニケーション力が身につき、こどもから自然と「ありがとう」が聞こえてくると思っています。

私も側にいるたくさんの人たちに「ありがとう」と感謝の気持ちを忘れずに伝えられる人でありたい、日々是精進なり。こどもと幼児園からありがとうの輪を繋いでいきたいと思います。