こどもと通信Vol.11 ”のびやかに育つ力を共に”
競争することの大切さ
今年度も折り返しの時期を迎えました。
行事を通して一人ひとりの成長を感じるとともに、こどもたちが友だちと力を合わせる姿にも、確かな変化が見られるようになりました。
心も体もぐんと伸びるこの季節。日々の生活の中で、こどもたちは少しずつ「自分でできた!」を増やしています。
靴をそろえる、友だちに「どうぞ」と言う、食事を美味しくいただく……。
大人から見れば小さなことでも、こどもにとっては大切な一歩。こうした積み重ねの中に、“生きる力”の芽が育っています。
園では、「遊ぶときは思いきり遊ぶ」「話を聞くときは集中する」というメリハリのある時間の過ごし方を大切にしています。楽しい時間と頑張る時間を行き来する中で、自分の気持ちを整えたり、相手を思いやったりする力が育っていきます。
それはまさに、これから社会の中で生きていくための“心の土台”です。
けれども、こどもの成長は園だけでつくるものではありません。
園での学びを支え、より確かなものにしていくのは、家庭での何気ない時間です。
お家の方が落ち着いて話を聞く、丁寧な言葉を使う、約束を守ろうとする……そんな姿の一つひとつが、こどもにとって「安心して真似できるお手本」になります。
最近、「保育園はなんでもやってくれるから預けられて助かる」という声を紹介する記事を読みました。私たちも働いている保護者様の力になりたいと思っています。ただ、こどもの成長は園と家庭の両方がかかわってこそ、真にのびやかに育つものであり、どちらが欠けても、こどもは安定して成長することができません。
園は、“生きる力”の芽を伸ばす場所。
家庭は、その芽が根付く土壌を育む場所。
私たちは、保護者の皆さんと手を取り合いながら、こどもたちが「やってみたい」「できた!」と感じられる環境を整えていきたいと考えています。園での経験が、ご家庭での関わりのヒントとなり、家庭での温かい言葉が、園での意欲へとつながっていく……そんな循環を、一緒に育てていけたらと思います。
秋風が心地よく感じられるこの季節。
こどもたちの心にも、やさしく澄んだ風が吹くような日々を、一緒に重ねていきましょう。



